痛がれ

チノ「あれ、スタバは・・・」

ワイ「んー？あぁ、あんな泥水もう飲まないよ」

チノ「えっ？意外です。あんなに毎日飲んでたのに・・・」

ワイ「まぁまぁ、それより久しぶりにラビットハウスのコーヒーを飲みたいんだよね」

チノ「あ、はい只今お持ちします」

ワイ「オリジナルブレンドね」

チノ「かしこまりました」

何か前と雰囲気が以前の変わったような・・・気のせいかもしれませんが、落ち着いたように見えるような・・・

チノ「・・・」

ワイ「・・・」

チノ「どうしたんですか、さっきからじっとこっちを見つめて」

ワイ「いや、サイフォンを扱う手つきが昔よりも手馴れてるなと思ってんね」

チノ「ワイさんがいなくなってからも私は働いてますから。この間、お客さんにも褒められたんですよ」

ワイ「へぇ、いいことだね」

チノ「というか、ワイさんサイフォンの扱い方とか分かるんですか？」

ワイ「まぁまぁ」

チノ「・・・？」

チノ「お待たせしました、ドリップコーヒーです」

ワイ「・・・」

ワイ「うん、確かに2年前に見た時より香りはいいね」

チノ「そうですか」

ワイ「じゃあ、いただきます」ｺﾞｸｯ

チノ「・・・」

ワイ「・・・」

チノ「どう・・・でしょうか」

ワイ「うん、これではっきり分かったよ」

チノ「何がですか？」

ワイ「ラビットハウスのコーヒーは全然おいしくないね」

チノ「・・・な」

チノ「なんですか、急に！さっきまで褒めてたじゃないですか！」

ワイ「事実を言っただけだよ」

チノ「ぐっ・・・！」

ワイ「カルディと同レベルくらいだと思うよ」

チノ「ふざけないでください！父が欧州各国を回って厳選した豆を使って、長年かけて見つけた最高の配合バランスなんですよ！？」

チノ「それをそこらのインスタント風情に・・・！」

ワイ「まぁスタバよりは旨いんじゃない？」

チノ「はぁ！？？？？当たり前じゃないですか！！！あんな泥水と比較しないでください！！！！！！！」

チノ「あなたみたいな素人に何が・・・」

ワイ「よっと」ｶﾞﾁｬﾝ

チノ「それは・・・？」

ワイ「見れば分かるでしょ、自家焙煎機だよ。こっちが豆ね」

チノ「それはわかりますけど・・・なんでワイさんがそんなものを」

ワイ「この2年、ローマでコーヒーに関する知識と淹れ方の勉強をしてたんだ」

チノ「えっ・・・」

ワイ「いつもいつもチノちゃんはスタバを馬鹿にしてラビットハウスのブレンドはおいしいって言ってたよね」

ワイ「でもある時思ったんだよね、それって本当なのかって」

ワイ「だから世界各国のコーヒーを飲む旅をして、それから世界最高峰の名店に頼み込んで住みこみで働かさせてもらったんだ」

そろそろスタバは訴えるべきやぞ

どうせ刺される

スタバ嫌いの設定が当たり前のように受け入れられてるのほんと草

チノ「す、すごいですね・・・」

ワイ「そして分かったんだけど、スタバのコーヒーはおいしくないね」

チノ「それはそうですが」

ワイ「でもラビットハウスのコーヒーが全然たいしたことないのも分かっちゃったんだ」

チノ「・・・」

ワイ「オーナーに淹れたコーヒーを出すんだけどさ、最初はワイが淹れたのなんてまず口にすら運んでもらえなかったよ」

ワイ「初めてカップに手をつけて貰えたのが8ヶ月目、口に運んで貰えたのが13ヶ月目だった」

ワイ「そして、「まぁ、店には出せないが従業員のまかないくらいにはなるだろ」と言って貰えたのが23ヶ月目のことだったんだ」

チノ「・・・」

ワイ「最後まで合格は貰えなかったんだけど、惜しいところまでは行ったと思うよ」

ワイ「だから、とりあえずワイの淹れたコーヒーを飲んでほしい」

チノ「わかりました」

ワイ「・・・」

チノ「・・・」

ワイ「どうぞ」

チノ「いただきます」

チノ「見た目はしっかりできているようですけど・・・」ｺﾞｸｯ

チノ「！！？？？？？？？？」

ワイ「ﾌｯ」

はよ殺られろ

チノ「うまっ！何これうまっ！！！！！！なんなんですか！？？？？？」

ワイ「ワイの勝ちかな」

チノ「・・・何の勝負か分からないですけど、負けを認めざるを得ないです」

チノ「気品のある香り、ほどよい絶妙な酸味、身体に浸透していくこの感じ、そして後味・・・」

チノ「これで合格を貰えないとは・・・世界は広いんですね・・・」

ワイ「まぁ、豆の力も大きいと思うよ。オーナーが巨額の資金と人脈を駆使した上で、半生をかけて編み出した配合だから」

ワイ「しょせんバーテンの片手間でやってたお父さんとは、まぁレベルが違ってしょうがないよ」

チノ「・・・先ほど失礼なことを言ってすみませんでした」

チノ「父娘共に、まだまだ精進が足りないようです」

ワイ「まぁ、良いってことよ」

チノ「（しかし、まさか私を見返すためだけにここまでするとは）」

チノ「（雰囲気も変わったし、顔も少し凛々しくなったような）」

チノ「（ワイさん・・・）」

刺されたな

このあと殺されるんだよね…

いつワイが刺殺されるんや

ワイ「どうしたの？チノちゃん」

チノ「ここまでやるなんて、本当に凄いですよ。尊敬します。馬鹿みたいです」ﾆｯｺﾘ

ワイ「・・・」

ワイ「・・・」

チノ「？」

チノ「ワイさん？」

ワイ「・・・た」

チノ「はい？」

ワイ「・・った」

チノ「ど、どうしたんですか突然」

ワイ「馬鹿って言った」

チノ「え？」

ワイ「チノおねえちゃんがぼくのこと馬鹿って言った！！！！！！！！！！！！！！！！！」

ワイ「チノおねえちゃんがぼくのこと馬鹿って言った！！！！！！！！！！！！！！！！！」

チノ「ええっ！？？？沸点どうなってるんですか！！！」

ワイ「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ！！！！！！」ｶﾞｼｯ

チノ「ちょ、やめてください！！！！痛い！！！痛いです！！！！！！！！！」

チノ「褒め言葉ですって！なんで分からないんですか！！！！」

急展開で草

チノ「も、もしかして店で口つけて貰えなかったのってただアスペなだけで」

ワイ「ああああああああああ許さない許さない許さない許さない許さない」

チノ「いっ！！！！あがっ！！！！！！！だっ誰か！！！！！！！誰か！！！！！！！！！！！！！！」

ワイ「殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる」

チノ「あああっもう！！！！ごめんなさい！！！！」ｶﾞｼｯ（カップを掴む音

ﾊﾞｷｯ!!!!!!!!!!!!!!ﾊﾟﾘｰｰﾝ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

ごちうさSSは必ず誰か彼かガイジにしないとアカン決まりでもあるんか

ワイ「あがががががががが目が、目がああああああああああああああああああああああ」

チノ「死ね！！！！！！！！！！！」ﾄﾞｷｬｯ（椅子をぶつけられた音

ワイ「ｳﾞｫｴｯ…」

ワイ「」

チノ「はぁはぁはぁ・・・」

きっと拙者が助けにきてくれる

流れ変わったな

やったぜ。

自家焙煎もちあるいてるってなんやねん

息を吐くように殺人
刑法の敗北

チノちゃんに謝れ

チノ「死ね！！！！！！！！！！！」ﾄﾞｶｯ

ワイ「ｱｧｯ…」

チノ「オラ！！！！！！！！！！！！！！！！！！！」ﾊﾞｷｯ

チノ「はっ」

ワイ「」

チノ「ワイさん・・・？」

結局負けるんやな

ワイ「ｱｧｧｧｧｧ・・・」ｺﾋｭーｺﾋｭｰ

チノ「・・・」

タカヒロ「ただいま」

チノ「お父さん・・・」

タカヒロ「チノ、台所から包丁を持ってきてくれないかな」

チノ「えっ」

タカヒロ「チノは暴漢に襲われた。僕が助けようとして揉みあいになり正当防衛で彼をカップで殴打し包丁で刺した、いいね。」

おわり

ガイジ同士のバトル物だったんか